紫外線療法

尋常性乾癬は、皮膚にできた紅斑や発疹が乾燥し角質がはがれ落ちる自己免疫疾患です。尋常性乾癬は皮膚細胞の生産が過剰になるため、皮膚細胞が正常な周期よりも早く生産されることで皮膚の赤みや腫れ、痛み、かゆみを引き起こします。治療法には皮膚の保湿やステロイド軟膏の使用、免疫抑制剤の使用などがあります。紫外線療法によって細胞の増殖を抑えることができます。

尋常性白斑は、皮膚の色素の喪失によって引き起こされる疾患で、皮膚に白い斑点を形成します。原因はメラニン色素を産生する細胞であるメラノサイトが自己免疫機能の異常によって損傷または破壊されることで発症します。尋常性白斑は痛みやかゆみなどの症状はありませんが見た目の部分で精神的にツラい思いを抱えている方が多くいらっしゃいます。紫外線療法によって色素再生を促すことが可能です。

掌蹠膿疱症は、手のひらや足の裏に水疱や膿疱（のうほう）を引き起こす慢性的な皮膚疾患です。痛みやかゆみを伴いますが、水疱にはウイルスがあるわけではありませんので周りの人にうつる可能性はありません。原因はよく分かっていませんが、病巣感染や喫煙歴、金属アレルギーが関与して症状が悪化する例が多いとされています。紫外線療法によって、皮膚免疫の働きを弱める作用を利用し、掌蹠膿疱症の進行を防ぎます。

円形脱毛症は、発症の原因がまだ完全には解明されていませんが、免疫細胞が異常を起こし、毛包の細胞を攻撃することで毛が局所的に抜け落ちることが有力とされています。局所的に抜け落ちるだけでなく、頭皮の毛髪全体や体の特定の部位の毛が抜け落ちるなど円形脱毛症といっても症状は様々です。円形脱毛症の治療にはステロイド軟膏による外用薬や内服薬、液体窒素での治療が主とされていましたが、紫外線療法も非常に効果的な治療として認められています。